M. HORI: 2008年9月アーカイブ

融解期の終わり

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AME080923_NDPROD1D_L1C_ESC5KM_103_rgb5RGB_cut2.jpgしばらく横ばいを続けた北極海の海氷面積でしたが、ボーフォート海付近の海氷縁辺部で急激な結氷(右図の赤い丸の部分)が始 まり、ようやく増加に転じました。部分的には風による収束(海氷域の収縮)を今後も受ける可能性はありますが、結氷に伴う面積の拡大が本格化していくものと考えられます。

その結果、今年のAMSR-E観測による海氷面積の最小値は、先週お知らせした「9月9日の470.8万平方km」でほぼ確定です。JAXA/EORCの「地球が見える」にも関連記事が掲載されておりますのであわせてご参照ください。

減少速度が鈍ってきました

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先週の10日以降、北極海の海氷面積の減少速度が急に鈍りました。Graph0_seaice_extent_rate_zoom_eng20080917_lr.jpg

10-11日と、面積は一時的に増加に転じ、その結果、9日の470.8万平方kmが現時点での最小面積値となっています。 今週に入ってからも、面積はほぼ横ばい状態で推移しています。

右下の図は、暫定的に9月9日の海氷分布が今年の最小面積とみた場合に、昨年の最小時の分布と比較を行ったものです。主な特徴は、先々週の本ブログ記事の内容と変わっていません。 今年の最小面積値に関しては、もうしばらく様子を見たいと思いますが、来週には確定できるのではないでしょうか。P1AME20080909IC0_20070924合成_cut.jpg

長くなりそうな融解期

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9月も第2週に入り、海氷減少は、徐々にペースを下げてきました。しかし、減少の速度自体は、この時期としては、過去6年間でも最高クラスの速度で依然推移しています。Graph0_seaice_extent_rate_zoom_eng2_20080910_lr.jpg

先週3日に本ブログを更新して以降、この1週間で、ほぼ本州一つ分の海氷が減ってしまいました。昨年記録された最小面積までは、あと日本列島1.2個分のところまで、今年も減少しています。

もしこのままのペースで減少速度が推移していけば、融解減少期間が例年より長くなることで、今年の最小面積を記録する時期が後ろにずれることが予想されます。その場合、昨年の最小面積にかなり近づくことも考えられます。

2007年の最小記録に迫る勢い

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9月に入っても北極海の海氷の減少は続いています。9月1日時点の海氷域の面積は、昨年に引き続き、ついに500万平方kmをきり、衛星観測史上2度目の400万平方km台に突入しています。

 

AMSRE_Sea_Ice_Extent_L_lr_20080902.png

今年は、昨年(2007年)に見られた7月の急減こそ見られませんでしたが、右の図からも明らかなように、海氷の減少曲線は7月から8月までほぼ直線的に下降してきていることが分かります。これは、例年だと8月後半に減少傾向が鈍ってくるのとは対照的な振る舞いです。この特異的な減少傾向によって、一時は大きく離されていた2007年の減少曲線に、今年も急速に迫ってきています。

 

 

P1AME20080902IC0_2007合成_cut.jpg

右図は、9月2日時点の海氷分布を、昨年の同じ日の分布(赤色で示しています)と比較したものです。この図からも、分布の形こそ昨年と違いますが、全体の面積はほぼ匹敵する小ささになってきていることが分かります。

昨年は、シベリア側の海域の海氷が大きく後退しましたが、今年は、カナダ寄りの海域の後退が激しく、一方シベリア側には昨年よりも多くの海氷が残っていることが分かります。また、昨年はグリーンランドの東岸沿いに大西洋方面に流れ出す海氷が多く見られていましたが、今年はあまり多くありません。

北極点からグリーンランドにかけての海氷域では、夏の間に融けていた氷表面の再凍結がすでに始まっていますので、まもなく海氷減少の速度が鈍ってくると考えられます。