9月に入っても北極海の海氷の減少は続いています。9月1日時点の海氷域の面積は、昨年に引き続き、ついに500万平方kmをきり、衛星観測史上2度目の400万平方km台に突入しています。

今年は、昨年(2007年)に見られた7月の急減こそ見られませんでしたが、右の図からも明らかなように、海氷の減少曲線は7月から8月までほぼ直線的に下降してきていることが分かります。これは、例年だと8月後半に減少傾向が鈍ってくるのとは対照的な振る舞いです。この特異的な減少傾向によって、一時は大きく離されていた2007年の減少曲線に、今年も急速に迫ってきています。

右図は、9月2日時点の海氷分布を、昨年の同じ日の分布(赤色で示しています)と比較したものです。この図からも、分布の形こそ昨年と違いますが、全体の面積はほぼ匹敵する小ささになってきていることが分かります。
昨年は、シベリア側の海域の海氷が大きく後退しましたが、今年は、カナダ寄りの海域の後退が激しく、一方シベリア側には昨年よりも多くの海氷が残っていることが分かります。また、昨年はグリーンランドの東岸沿いに大西洋方面に流れ出す海氷が多く見られていましたが、今年はあまり多くありません。
北極点からグリーンランドにかけての海氷域では、夏の間に融けていた氷表面の再凍結がすでに始まっていますので、まもなく海氷減少の速度が鈍ってくると考えられます。